特集:
2008/05/24 日記
Suicaショッピングサービス
Suicaショッピングサービス(スイカ-)とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)及び東京モノレール・東京臨海高速鉄道が発行するICカード乗車券Suicaを活用した電子マネーサービスである。概要
Suicaの電子マネーとしての利用は、当初JR東日本エリア駅構内での物品販売の混雑緩和やスピーディーな買い物に活用する事を狙いとしていた。しかし、その利便性が乗降客に浸透するに連れてJR東日本側の認識も変わり、Suicaを積極的に電子マネーとして利用する事による手数料を新たな収益源として大きく見込むようになった。それにより、JR東日本は中期経営計画「グループ経営ビジョン2020−挑む−」において「Suica事業を経営の第3の柱として確立する」として、Suicaビジネスを新たな経営戦略の中心に据えている。数字でみる現状と主な経過
2008年4月末現在、発行枚数2,177万枚・取扱件数2,600万件(PASMO加盟店を含む。対抗するEdyは発行枚数3,960万枚・月間2,400万件=同年4月末現在)の電子マネー取扱件数を2010年度には1日800万件を目標とし、現在では鉄道駅構内(いわゆる駅ナカ)に留まらず街ナカへもSuica対応店|店舗の積極的な拡大を行っている。2008年4月末現在の導入店舗数は約46,650店である。なお、ビットワレットのEdyとの競争は「電子マネー戦争」とも評され、さらに2007年からはセブン&アイ・ホールディングスのnanaco(発行枚数576万枚・月間取扱件数2,800万件)も加わり、三つ巴の争いとなっている。Suicaの残高(ストアードフェア=SF)は汎用電子マネーとして使えるという事に着目したJR東日本は、2003年11月よりVIEW Suicaカード会員限定で駅のコンビニ「NEWDAYS」での利用を中心にSuica電子マネーモニター(実用化最終テスト)を行い、翌2004年3月22日より正式にSuicaショッピングサービスとしてスタートした。汎用性のある電子マネーとしては当時ビットワレットのEdyが2001年11月からと先行していた。Edyは航空会社ポイントプログラムとの提携、また2004年から携帯電話各社の端末に「おサイフケータイ」と銘打ちそのコンテンツとしてプリインストールする事で発行枚数を伸ばして来た。一方、乗車券としてSuicaを日常的に使用するユーザーは、いつものSuicaが電子マネーとして使える事に対し、改札機と同様の「タッチ」により決済できる事、特別な申し込みなどが必要ない事などもあり、違和感が少なかった。電子マネーとしてのSuicaはエリア内の首都圏中心の駅ナカやコンビニエンスストアなどに必然的に利用店舗を集中させた結果、認知度が向上し結果的に利用率がEdyに比べて高くなっている。さらに、クレジット決済サービス「iD (クレジット決済サービス)|iD」との共用端末をイオングループに導入推進した事から、同じ端末をさらに共用できるイオンの電子マネー「WAON」の導入地域拡大によって、電子マネーとしてのSuica利用可能エリアは急速に広がった。そのため、乗車券としてのSuicaエリアではなかったJR東海エリアの一部地域(愛知・岐阜)のようにSuicaショッピングサービスが先に進出し、後から乗車券としてのSuica利用が(TOICAとの相互利用という形で)始まるという様に乗車券とショッピングサービスの提供順序が逆転した地域もある。また、JRグループ同士での連携も強化しており、2008年3月18日にJR西日本の『ICOCA電子マネー』との相互利用を開始した。さらに翌2009年春を目途にJR北海道のKitacaと電子マネー機能の相互利用を開始する予定であり、鉄道系電子マネーの相互利用可能エリアが首都圏・仙台・新潟・京阪神・広島・岡山・札幌地区へと拡大されている。この様な店舗の展開が進んだ事、また対抗するEdyがおサイフケータイへのアプリのプリインストールを中止した事、マイレージサービス#陸マイラー|陸マイラー対策としてEdyでの公共料金の支払いを中止したり、クレジットカードからのチャージ時のポイント付与を制限し始めた事なども影響し、現在ではSuicaショッピングサービスの取り扱い件数はEdyを上回る事も多くなっている。
未対応のSuicaカードの交換
2003年6月以前に発行された電子マネーマークのないSuicaは、交換希望者のために電子マネー対応Suicaへの無料交換を行っている。発行会社によって対応が異なる。詳細は以下のサイトを参照の事。
実施中の主な店舗
駅ナカ
JR東日本の駅ナカ店舗(土産物店、書店など)から展開を開始し、JR東日本の"駅のコンビニ"NEWDAYSを中心に取り扱い店を増やして来た。また、「Suicaステーション」と称した自動販売機・自動券売機#食券・入場券用|食券自動券売機・ロッカー#コインロッカー|コインロッカーなどを含め、JR東日本の駅(一部を除く)での決済にSuicaが利用できる様に整備されてきている。加えて、ルミネなどJR東日本の駅ビルやエキュート|ecuteなど改札内の商業施設全体での実施例も「駅ナカ」での展開として捉える事ができる。因みに、Suica対応自動販売機の売り上げデータの送信は、NTTドコモのFOMA組み込み通信モジュールを使用している(画像の上野駅の飲料自動販売機では、最上段左のお茶のさらに左にドコモロゴ入りのアンテナが見える。)。
街ナカ
「駅ナカ」に対するSuica利用場所の概念としてJR東日本から提案されたカテゴリーが「街ナカ」である。街ナカでのSuicaショッピングサービスは、首都圏・仙台・新潟といった乗車券としてのSuicaが利用できるJR東日本の駅周辺から展開を開始した。少額決済が多い傾向の業態、即ちコンビニエンスストア(ファミリーマート・ミニストップなど)やファミリーレストラン(ジョナサン (ファミリーレストラン)|ジョナサンなど)、カフェ(サンマルク#サンマルクカフェ|サンマルクカフェなど)などから実施店舗が拡大して来た。スーパーマーケット分野では、初期は大丸ピーコックなどの一部店舗に留まっていたが、2007年2月1日よりイオングループの店舗及び各種テナントにも導入され、同年10月に関東地方及び愛知・岐阜両県内の店舗でも導入された。また、成田国際空港内の店舗、ガソリンスタンド・駐車場、タクシー(2007年〜)など鉄道と連携関係にあるところに積極的に利用エリアを増やしているのも特徴である。他に家電量販店(ビックカメラ、ヨドバシカメラなど)やホテル(ホテルメッツチェーン|ホテルメッツ、APAホテルなど)、アミューズメント分野(劇団四季などのグッズ売店、ポケモンセンター、ゲームセンターなど)などでも実施されている。珍しい例としては、2007年10月14日に開館した鉄道博物館でSuicaを入館券代わりとして利用できる。もちろん、館内にあるレストラン・ミュージアムショップ・自動販売機でも利用できる。日本ラグビー協会と共同で、国立競技場で開催されるラグビーの国際試合に、Suicaで入場できるサービスを試験的に導入することになった。対象となるのは、2008年5月31日開催のジャパン15−クラシック・オールブラックス戦と、6月22日のパシフィック・ネーションズカップの日本代表−フィジー代表戦の、いずれもゴール裏自由席券(500円)である。PASMOやICOCAでも利用可能である。同協会は「今後、秩父宮ラグビー場で行われるトップリーグでの導入も検討したい」としている。チャージ(入金)も可能な店舗
:*当初はファミポートでチャージ金額を指定し、印字された引き換え券を持ってレジでチャージしていた。
ジャスコ※、マックスバリュ※、サティ (チェーンストア)|サティ※、ビブレ※ - いずれもサービスカウンターでチャージ
ミニストップ※ - レジでチャージ
:*首都圏地区の店舗では一部の店舗を除き基本的に利用可能。
:*2007年10月15日からはSuica乗車エリア外でJR東海のTOICAエリアである愛知・岐阜両県のジャスコ・マックスバリュ・メガマートでも取り扱いを開始した(イオンモール岡崎・イオンモール東浦に入店している専門店は11月1日から開始)。
:*2008年3月1日よりイオングループの東北・中部各圏での利用がWAONと同時と言う形で開始された。これによりJR東日本管内でありながらIC乗車券としての利用のできない長野支社管内などでも電子マネーとしての利用が可能となった。いずれも、クレジットカード払いによるSuicaチャージ及びPASMO・ICOCAへのチャージは行っていない。また、上記以外の店舗では現在のところチャージができないため注意が必要である。逆に、2008年以降PASMO端末がam/pmに導入される事によりSuicaでも利用可能になる予定だが、こちらはPASMOのチャージのみ対応する事になっている([http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0707/12/news111.html])。
インターネット
モバイルSuicaのみのサービスだが、オンライン書店ビーケーワン|bk1などでインターネットショッピングができる。なお、カード型による決済はYahoo! JAPAN#ヤフー株式会社|ヤフーと検討中である。
車内販売
日本レストランエンタプライズ|NREと聚楽ティエスエスが営業するJR東日本管内の全新幹線・特急・団体列車の車内販売用に2008年4月(3月先行導入)から順次Suica決済用ハンディー端末を導入する予定である(但し、他社直通特急列車のうちNREグループ以外の企業との共管で車内販売を行っている「はくたか (列車)|はくたか」「北越 (列車)|北越」「日本海 (列車)|日本海」を除く。)。他社直通列車の場合、他社線区間内でも利用可能である。なお、グリーン車Suicaシステムを導入している首都圏の普通列車グリーン車内販売には導入する予定がない([http://www.jreast.co.jp/press/2007_2/20080301.pdf])。共用決済端末
開始当初は、Suica決済のみ対応の松下電器産業|松下電器製のINFOX(金融機関のオンラインシステム|CAFIS)用途のCAT端末が導入されたが、その後登場した東芝テックやNECインフロンティア製のCATで従来のクレジットカード決済に加えてSuica決済にも対応した関係で、クレジットカードとSuica両方を取り扱う駅ビルで数多く導入されている。JR東日本とNTTドコモ(ID (クレジット決済サービス)|iDを展開)は、共同でSuicaとiDの両方が利用できる共通インフラ(共用端末及び共通利用センター)を整備する事を合意し、そのために共通インフラ運営LLP|有限責任事業組合を設立し、2007年1月から運営を開始している。また、その共通インフラをEdyとQUICPayも利用する事も合意されており、まずは翌2月1日よりイオングループの店舗に初めて共用端末(Suica・iD対応)を導入した。イオングループは2008年3月1日よりこの共用端末によるIC決済を全国に拡大し、Suicaが利用できる駅(これにはJR東日本管内の新幹線駅もすべて含まれる)が県内に1つでもあればその県のイオングループ全店舗でSuicaが利用できるという形であるため、Suica対応店舗が大幅に増えた。イオンはICOCAも同様の形で取り扱い店舗を増やしており、これによって本州の端である青森県青森市(県内の八戸駅がSuica対応)から山口県下関市(県内の岩国駅などがICOCA対応)までSuicaでの買い物ができる様になった。それに連動する形で共用端末の導入を始めとする同カードの普及のために、JR東日本・NTTドコモ・NTTデータは「Suica普及有限責任事業組合」を設立し、Suica導入の資金援助を行っている。その資金援助の第1号はららぽーとであり、2007年3月15日に開業したららぽーと横浜に共用端末を導入した。以降、4店舗に共用端末を導入していく予定である。この共用端末は、同月3月18日|18日に運用を開始したPASMOもSuicaとの相互利用という形で対応している。また、ICOCAについては翌2008年3月18日からSuicaとの電子マネー相互利用を開始しているが、この共用端末に参加するかは明確にはされていない。そして、2008年2月22日よりEdyにも対応した共用端末がラゾーナ川崎プラザにて運用を開始している(端末1機でSuica・iD・Edyの3つに対応して運用されるのは全国初という)。ららぽーとに導入済みの共用端末もEdyに対応させていく予定である([http://www.jreast.co.jp/press/2007_2/20080212.pdf])。その他にもSuica加盟店を募集しているジェーシービー|JCB・ユーシーカード|UCカード・三井住友カード・三菱UFJニコスのクレジットカード会社4社はINFOXなどのCATと共用している端末が設置している(JR東日本側〈ビューカード〉も同様の端末を駅ビルなどに導入している)。このうち、JCBの端末はQUICPayとの共用が可能な端末もあり、三井住友カードの端末は将来前述のiDとの共用端末を設置する計画がある。因みに三菱UFJニコスとJCBはJ-WESTカードの業務代行元となっている関係から、西日本旅客鉄道(JR西日本)とICOCA電子マネーの加盟店開拓も行う事で合意し、ICOCAにも正式に対応した共用端末も開発する予定である。NECインフロンティアの汎用型リーダライタ(Suica・iD・Edy・QUICPay・Smartplus・Visa Touch対応)をコンビニエンスストアのサークルKサンクスやローソンが導入する予定であり、さらにセブン&アイ・ホールディングスが独自の電子マネー「nanaco」を導入しており、松下電器製の専用読み取り端末でSuica・iD・Edyなど各種電子マネーにも対応できる様に目指しているという。Suicaポイントサービス
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
相互利用
首都圏のJR以外の他社鉄道・バス事業者が導入したICカード「PASMO」は、当初から乗車券機能に加えて電子マネー機能も相互利用が可能であり、各店舗のSuicaが利用可能である事を示すステッカーが『PASMOも使えます』を付記されているものもしくは『SuicaとPASMOご利用いただけます』と書き換えられたものに張り替えられていた。また、乗車券機能のみ相互利用の対象だったJR西日本の「ICOCA」については2008年3月18日より電子マネーに関しても相互利用を開始し([http://www.jreast.co.jp/press/2007_2/20071205.pdf])、同時にSuicaが利用可能である事を示すステッカーも『SuicaとPASMOとICOCAご利用いただけます』に張り替えた。さらに、北海道旅客鉄道の「Kitaca」とも2009年春を目途に乗車券機能・電子マネー共に相互利用を開始する事が発表された([http://www.jreast.co.jp/press/2007_2/20071206.pdf])。また、福岡地区の鉄道事業者が発行する非接触型ICカード乗車券(九州旅客鉄道〈JR九州〉のSUGOCA・西日本鉄道のnimoca・福岡市交通局のはやかけん)との電子マネー機能を含めた2010年春の相互利用開始を目指す「九州IC乗車券・電子マネー相互利用に関する協議会」を発足させ、協議を開始している([http://www.jreast.co.jp/press/2007_2/20080205.pdf])。課題
領収書の発行と収入印紙
第17号の1文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書)は金銭又は有価証券の受領事実を証明する目的で作成されるものである。従って、現金によるSuicaへのチャージ時に領収書は発行されるが、クレジットカードによるチャージ及びSuica電子マネーでの決済では発行されない(「領収書」と銘打ったレシートが発行される事もあるが、「Suica決済」というくだりが印字されている以上、厳密には領収書ではない。)。また、2008年現在チャージ上限金額が20,000円であるため、収入印紙が貼付される事もない。
電子マネーの使い勝手
電子マネーとして見た場合、使い勝手において以下に記述する様な他の電子マネーに劣る部分もある。
法整備
Edyなど、前払い型の電子マネーは商品券やプリペイドカードに近い性格を持っている事から、所謂プリカ法(前払式証票の規制等に関する法律)の規制対象となり、カード発行者は財務省への届け出と定期的に発行残額の報告と一定の供託金の拠出が必要であるが、SuicaやPASMOでの電子マネーはストアードフェア(交通乗車券)によるもので適用外にされており、識者によっては資金的に不公平であるとか、万一、カード発行事業者(鉄道会社やPASMO|パスモなど)が経営破綻した場合、法的にストアードフェア残高を保証する制度がないリスクから「電子マネー」全体に法規制を設けるべきだとの意見も見受けられていた。この社会情勢を受け、総務省は仮称「電子マネー法」の制定について検討を2007年12月より開始している([http://mainichi.jp/select/biz/news/20071204ddm008020075000c.html])。関連項目
外部リンク
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